本当に大事なものは…
子どもたちの未来。
こばり歯科も本日5月9日をもって3年目に突入しました。
おかげさまで、こばり歯科にも多くの子供たちが来院してくれます。また、2人の娘を持つ親としても最近将来のことを考えるようになりました。
10年後、20年後の未来、歯科界や社会はどうなってるんだろう…今の子供たちにとって住みやすい社会になっているだろうか…
歯科においていえば、福島県は子供のう蝕罹患率が多い地域なのですが、それでも歯科健診では以前と比較するとかなり減っているように感じます。
そして現在、う蝕よりも問題になっているのが不正咬合です。健診でも正常な顎骨・歯列の発育が見られるのは半数にも満たず、逆に言えば半数以上の子供たちが何かしらの問題を抱えています。
子どもの口腔の発育状態については厚生労働省も問題視し、平成30年度の保険改定で新たに「口腔機能発達不全症」という項目が追加されました。
チェックシートを確認するとほとんどの小児患者で3つ以上当てはまります。
口腔の機能には、咬むこと(咀嚼)、飲み込むこと(嚥下)、話すこと(発音)、そして呼吸があり、これらの機能に問題があると簡単に口腔内の環境は変化し、顔つきや姿勢までにも悪影響を及ぼします。
口腔発達不全が認められた小児には、院内ではわからない生活習慣までチェックし指導や機能訓練を行い管理する必要があります。
残念ながら発達不全のまま児童期になってしまった小児には、こちらからの介入が必要になるケースも多くあります。12歳までは顎骨の成長が見込める時期なので、口腔内装置を用いて成長の手助けを行い、正常な口腔機能(特に呼吸)の獲得を目指します。
大事なのは子供たちの未来…
この不正咬合の問題は、もしかしたら大人になって様々な問題に派生し、生涯付きまとう問題かもしれません。
(Dr.John Mewとイギリスの自宅での記念の一枚)
思えば、歯科医師になりたての頃は、知識や技術の研さんにしか目を向けていませんでしたが、自然成長誘導法(バイオブロック療法)の著者であるJohn Mew先生はじめ、顎顔面口腔育成に携わる先生方の子供の未来を真剣に考えるフィロソフィーに触れ、少しだけ視野が広がった気がします。
本当に大事なのは子供たちの未来…
自分に何ができるだろうか…子供たちの未来に何を与えられるだろうか…
歯科医師として責任をもって役目を果たしたいと思います。
3年目を迎えたこばり歯科を今後ともよろしくお願いします。
小針啓司